この記事の目次
舞妓さんになるには?舞妓のかわいいメイクや衣装、髪型のまとめ
皆さんは、舞妓さんというと最初に何を思い浮かべますか?
衣装?髪型?メイク(お化粧)?
京都の可愛いイメージもありますよね!
本日はかわいらしい舞妓に近付ける為の衣装やメイクの基本をご紹介します!
舞妓さんになる順番は?
まずは舞妓さんに変身する前に、舞妓さん自体になる方法を学ばなければなりません。
何歳までなれるの?見習い期間ってあるの?をお応えしております!
舞妓さんとは京都での呼び名になりますが、一般的には半玉(はんぎょく)と呼ばれ、芸妓を目指して置屋と呼ばれるいわゆる所属事務所でお稽古する見習いの女性の事を言います。
置屋では踊りや舞いのお稽古をし、一人前の芸妓を目指しております。
舞妓さんになる詳しい記事はこちらを参考にしてください!
置屋と舞妓さんの関係や、置屋でのお稽古、そして置屋から花街に出掛けるお時間等の記事をまとめてあります。
舞妓さんになれる年齢や見習い期間なども書いておりますので是非ご覧ください。
子供っぽさが大切な舞妓さんのメイク
それではまず、子供っぽさを演出する工夫が施されている舞妓さんのメイクについて、フォーカスを当てていこうと思います。
舞妓さんのメイクの特徴は?
舞妓さんのメイクの特徴といえばなんといっても“白塗り”だと思います。
当初は薄暗い室内で顔を目立たせるために始まったものですが、今では舞妓さんに欠かせないメイクとなっています。
下地
メイクの手順として、一般的な女性のメイクと同じで、まずは“下地”からです。
ただここで違ってくるのは、下地に「鬢(びん)付け油」を使用するというところでしょう。
お相撲さんや舞妓さんの髪の毛を結うときに使用するものです。
なんとなく、イメージがつきますか?
舞妓さんは首と、着物の襟を抜いた時に見えるうなじから背中にかけても下地を塗っていきます。
鬢付け油は常温だと固いため、手に取って体温で温めから顔や首筋に塗っていくそうです。
ちなみに、鬢付け油は古くから化粧下地としても使われており、肌の保湿力が高いのが特徴なのだそうです。
舞妓さんのお肌が綺麗なのは、こういったメイク用品の機能の高さにもあるのかもしれませんね!
鬢付け油を塗ったら、白塗りを行っていきます。
練り白粉(ねりおしろい)
次に「練り白粉(ねりおしろい)」を塗っていきます。
普通はファンデーションですが、これが舞妓さんのファンデーションだと思ってください。
歌舞伎役者が塗っているものと同じです。
とても厚いものですが、毎日、毎日、自分で塗って上手になっていくそうです。
また、白粉を塗るときには練り白粉を水で溶いたら、「板刷毛(イタハケ)」という先が平らになっている筆を使います。
この後、パフで肌になじませていきます。
アイライン・眉
白粉を塗り終わったら、次はアイラインと眉毛を描いていきます。
舞妓さんのアイメイクは、眉や目じりに赤色を使った艶やかなメイクが特徴。舞妓さんメイクのアイラインと眉毛は、黒だけではなく赤も入れます。
人によってはほとんど赤の場合も。
目じりに赤、眉毛にも赤を入れて、最後に少しだけ黒を足すことで、さりげなく『おぼこさ』を演出しています。眉の形は、笹の葉を半分にした形が綺麗だと言われているそうですよ。
舞妓のお化粧で使う赤は、「棒紅(ぼうべに)」と呼ばれる細く小さな固形状の紅です。『棒紅』を水に溶かし、塗っていきます。
見ている限り、まつ毛はビューラーを使ってカールさせてはおらず、自然なまつ毛に、マスカラを塗る人は、塗るようですね!
紅
お顔のメイクが済んだら、最後に紅で唇を塗ります。
上唇と下唇に塗ると思われますが、「見世出し」(舞妓のデビュー)のときは下唇にのみ塗ります。唇を小さくおちょぼ口に見せて『おぼこさ』の演出です。幼さを演出するための唇メイクの技なのだそうです。
お姐さん(OJTみたいな芸妓・舞妓)が「いいよ」って言ってくれたら上唇も塗れるそうですよ?
唇の上下に紅をさせるのは、だいたい1年くらい経ってからのようです。
襟足に模様をつける
舞妓さんメイクの最終段階で行うのが、襟足に模様をつける作業。
襟足を残して白塗りをすることで、舞妓さん独特の模様をつけていきます。
どのような模様かというと、色を塗っていない襟足の肌の部分がWの文字を描くような形の模様。舞妓さんはかつらをかぶらない分、襟足が長く見えるようにこうした模様をつけるのだそうです。
ちなみに首の周りも白塗りを行っていきますが、首の部分は顔よりも白く塗るのが顔をより白く美しく見せるためのコツなのだそうですよ。
舞妓さんのメイク、少しでもお分かりいただけましたか?
舞妓さんはもともと10代前半の子供がなる職業?
舞妓さんは昔は10代前半のお子様がなる職業だったそうです。
お化粧もお座敷のお客さまから「おぼこい」と感じてもらえるような子供らしさを強調する工夫がされています。
義務教育の関係で10代後半の舞妓さんが増えてきた現在は、メイクで「おぼこさ」を伝えることも大事な表現の1つ。
舞妓さんは衣装も髪型もそしてメイクも「おぼこさ」を一番大切にすると言ってもいいでしょうね!
『おぼこい』とは?
ちょっと話は逸れますが、『おぼこい』とは関西で主に使われている言葉で、小さな生き物や女の子に対して使われると“かわいらしい”という褒め言葉となります。
白、黒、赤、三色のみを使用する舞妓さんのお化粧は、『おぼこさ』を演出するための工夫がされているのですね。
舞妓さんの衣装の特徴は?
それでは次に舞妓さんのきらびやかな衣装についてフォーカスを当てて行きましょう!
メイクが終わり、この衣装に着替えればあなたも念願の舞妓さんになれます!
※舞妓さんの仕草などは各々お勉強されてください。。。
『おとこし』とは?
衣装をご紹介する前に、ちょっとお勉強しましょう。
華やかな舞妓さん・芸妓さんの美しい着物姿の裏には、男衆さんという男性の着付け師の存在があることをご存知でしょうか?
男衆と書いて『おとこし』と読みます。
主に芸妓さん・舞妓さんの着付けを仕込む男性の事を言います。お年頃の舞妓さん着付けをなぜ男氏衆の男性がするのでしょう?
このあと男衆についても少しずつお話させていただきます。
舞妓さんの着付けについて
それでは、舞妓さんの着付けについて学んで参りましょう!
専門用語も出てきますので、是非チェックしてください。
着物の特徴
メイクが終わった舞妓さんは着物を着るのですが、着物と帯を合わせると黒紋付の衣装だと約10キロ、通常の衣装でもその重さはなんと約8キロほどになります。
裾引きの着物は現在の私たちが着る着物より身丈を長く、そして裾に厚く綿を入れて仕立ててあります。
舞妓さんの着物は「裾引(すそひき)」または「お引きずり」と呼ばれます。
裾捌きの美しさを見せるためでもあり、その分着物も重たいもので、正装だと比翼が付いた分更に重たくなります。
その為きちんと腰帯を締め、伊達締めの変わりに緋の扱きでしっかりと抑えないと着崩れの元になります。
また、舞妓さんの着物は、肩と袖の部分を端折って縫い付けられているのも特徴。
もともと七五三のときに子どもが着物を着る際の仕立て方によって仕立てられているのです。
昔は子供も舞妓さんをしていたため、その当時からの名残なのだそうですよ。
帯の長さは何メートル?
裾引きに「だらりの帯」といわれる帯を付けるのが、舞妓さんの基本スタイル。
長い帯を、だらりと垂れ下がるように締めていきます。
また、舞妓さんの帯の長さは、6m50cm以上もあり、その長さは普段のお着物で使う名古屋帯(3m60cm~3m80cm程度)と比べると、倍近くにもなります。
もちろん長さに比例して、重さも出てくるため、とても1人で結べるようなものではありません。。。
これだけのものを、お座敷が始まる前の夕方2時間程の間で、十数人をお座敷の6時間から8時間程の間、大きな着崩れもなく、着直させることもないように、着付けなければなりません。
女性の力でこれを締めるのは、なかなか大変な仕事なのです。
男衆の出番!
そこで男衆さんは、「置屋」と呼ばれる舞妓さん達の所属するお店まで行き、芸妓・舞妓さん達を着付けていきます。
手慣れた男衆の手にかかると置屋内で約10分で着付が完成します。
先述にも記載いたしましたが、夕方~晩、彼女たちは置屋から花街のお座敷に出て舞い、お客様のお相手をして、時に遊びます。
お人形のように座っていることはなく、遊びの中には全身を使うものもあります。
そんなお座敷(彼女たちは「お花」と言うそうです)を一回二時間として(実際はいろいろですが)、一晩で何件もこなすことになります。
それも一軒のお茶屋さんの中のお座敷だけではなく、花街の複数のお茶屋さんに足を運んでお座敷を勤めているわけです。
こうなると、着崩れもせず、着直しもせずにすむようにするには、男性の腕力が必要となるでしょう。
ぽっちりを身につけよう
ぽっちりとは、舞妓さん独特の帯留のこと。
通常の帯留よりも大きく、銀でできている土台にサンゴや翡翠(ひすい)、瑪瑙(めのう)、ダイヤモンドなど、さまざまな宝石をあしらっているのが特徴です。
こうしたぽっちりは、舞妓さんの身につけるものの中でも最も高価なものと言われています。
その為、転んだ際にぽっちりを壊してしまわないよう、上手な転び方まで学ぶこともあるのだとか。
そしてそうした装飾品のほとんどは伝統工芸品として職人さんが手作りをされたもの。高価な装飾品を付けるのは緊張するでしょうが、こうした装飾品が舞妓さんの美しさをより一層引き立ててくれますよね。
おこぼを履こう
舞妓さんの履物は、おこぼと呼ばれる高さ10cmもあるものです。
1年目の舞妓さんのおこぼは、台の裏側をくりぬいた部分に鈴がついており、歩くたびにかわいらしい音をたてます。
また、おこぼは鼻緒の色によって舞妓さんの見習いの経験年数がわかるようになっているのも特徴です。
豆知識
これは余談ですが、現在は廃絶した裏慣習としては芸妓の旦那さん(後援者等)になりたいというお客さまと、置屋(芸舞妓の所属事務所みたいなもの)、芸妓の間を取り持っているのも彼らのような出入りの男衆の役割でもあったようですよ。
芸妓と舞妓の髪型の違いは?
では次に舞妓さんの髪型の特徴を見てゆきましょう!簪を着飾った舞妓さんの髪型、ほんとに素敵ですよね!
そしてまず前提としてお話ししておきます。
芸妓さんと舞妓さんの髪型の大きな違いは、『地髪』か『かつら』を使用しているかです。
地髪を結っていのが舞妓さんで、かつらを使用しているのが芸妓さんです。
それぞれの髪型について、順にご説明していきます。
舞妓さんの髪型の特徴は?
芸妓さん・芸者さんは“かつら”を使用しますが、舞妓さんの場合は地髪を結って髪型を作ります。
舞妓さんの髪型には2通りの髪型があり、新米の舞妓さんは「割れしのぶ」という髪型。
そして、舞妓さんになって2年ほどすると「おふく」といわれる髪型になります。
舞妓さんの髪型は1度結ったら1週間はそのままで過ごすことになるため、就寝時は高枕で眠るのだそう。とても大変そう。。。
割れしのぶ
「割れしのぶ」では、左右対称に髪を巻き付けます。
その真ん中に作った髷から髪飾りが上下に見えるのが、かわいらしい「割れしのぶ」の特徴。髪留めは「鹿の子」といって、鹿の子絞りという技法で染められた伝統模様の施された布を使ったもの。
七五三などでもよく使用される、ちりめん布のようなかわいらしい髪飾りです。
おふく
一方、舞妓さんの次の段階の「おふく」という髪型では、「割れしのぶ」よりも若干落ち着いた雰囲気となるのが特徴。
「割れしのぶ」で鹿の子を使用していた部分に、おふく掛けと呼ばれる布を使用するようになります。
このように、舞妓さんになってからの時期や見習い期間によって舞妓さんの髪型は異なります。
髪留めに使用しているのが鹿の子か、おふく掛けかによって舞妓さんのおよその経験年数がわかるようになっているのですね。
豆知識
舞妓さんは、「割れしのぶ」と「おふく」どちらの髪型の場合でも、かんざしを使用します。
月ごとの季節を現した花のかんざしで、髪を綺麗に着飾るのです。こうした手作りのかんざしで色どり豊かなのも、舞妓さんの髪型の特徴とも言えるでしょう。
芸妓さんの髪型の特徴は?
芸妓さんの髪型では、「島田」という髪型をしたかつらを仕込みます。
「島田」とは、未婚女性の代表的な髪型で昔から婚礼時などに用いられてきた結い方です。
この髪型には髪の十分な長さが必要なため、いつしかかつらが用いられるようになったそうです。
芸妓さんになると、舞妓さんのときのように子どもらしい雰囲気はなくなり、大人っぽい雰囲気の髪型へと変わります。
そのため、かんざしなども舞妓さんと比べて使用する本数も少なくなるようです。
このようにシンプルではありますが、落ち着いた雰囲気で舞妓さんとはまた違った魅力があるのが芸妓さんの髪型の特徴とも言えるでしょう。
最後に舞妓さんの装飾品をちょっとご紹介
舞妓さんが身につける装飾品は、色鮮やかなものも多く素敵ですよね!
先ほどもお伝えしましたが、こうした装飾品のほとんどは、伝統工芸品として職人さんによって手作りのもの。
豪華絢爛なものや季節感あふれるものまで、舞妓さんの美しさを引き立てる装飾品について少しご紹介します。
手絡(てがら)とは?
手絡とは、髪を結い上げる際に髷に巻き付けたりして装飾する布のこと。
舞妓さんの手絡は2種類あり、舞妓さんになって約1~2年の期間は「鹿の子絞り」を使用します。
そして舞妓さんになりしばらく経つと、「おふく掛け」という布を使用するようになります。
鹿の子絞りとは、米粒くらいの大きさの斑点状の模様が特徴の絞り染めが施された布のこと。
七五三などでもよく使用される手絡です。
一方、おふく掛けとは布を結んで五角形のような形に整えた布のこと。
鹿の子絞りより滑らかな布で、仕込むと少し大人っぽい舞妓さんの雰囲気の手絡となります。
花かんざしとは?
舞妓さんの髪に飾られる花かんざしは、その月ごとに花の種類が決められています。
それぞれの月の花は、例えば1月は松竹梅、4月は桜、6月は紫陽花、11月はもみじが主な花として期間で決まっており、その時々の季節を感じさせてくれます。
こうした花かんざしの材料は羽二重シルクといって縦糸と横糸を交互に織った絹の織物のほか、和紙や針金。
これらの材料を使い、職人さんが舞妓さんのために丁寧に手作りをしています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
舞妓さんになってみたい方はもう一度読み返してみてください。この知識を持って舞妓体験をされるととても楽しいかと思います。
現在弊社では熱海芸妓置屋連合組合さまとお取引をさせていただいており、舞妓・芸妓体験などこれから様々なイベントを企画しております。
熱海芸妓のオリジナルマスコットの熱海まめっこグッズも沢山展開して参りますので期待していてください!